ベランダの素晴らしさを再確認する
ベランダとは実に不思議な場所だ。この日常生活の外側にある空間は住人が意識しなければ何の魅力もない付属品のような場所だ。洗濯物を干す場所、出し忘れたゴミの置き場…しかし、意識してそこを利用すると素晴らしい場所であることを再確認できる。但し、ベランダから望む景色が都会のビル群なのか自然豊かな木々の風景なのかによりそこで得られる感性は異なる。
週末の午後にベランダの片隅に身を置き晴れ渡った青い空や夕暮れの時の遠景を眺めていると忙しい時間の流れが停止し連続的に続く社会生活をリセットする…つまり、ベランダとは非日常の空間でありリゾート地的な要素(例えば旅先のビーチでサンセットに出会う感動)に近い。特に休日で気分をリフレッシュしたい時は一日中部屋でNetflix三昧もいいが意識してベランダを利用したい。
戸建て生活だと外界との接点は複数あるが、3DK生活者にとってベランダは自然界との唯一の接点であり、穏やかな晴れた日はもちろん雨の日や雪の日もベランダに身を置き心を浄化する。また、奥行きの広いワイドなベランダのオーナーであれば多目的なスペースとして利用できるが旧式のベランダだと奥行きがなくエアコンの室外機もあり手狭な状態だ。一見ネガティブな印象だが狭い故に目的がシンプルになる。そこで、自身の存立させている根本原理について問うのだ。
※複数のベランダを持つ3DKの間取りもある。
