間取り3DK ライフ

間取り3DK ライフ

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シニアの引越し その後…

埼玉県草加市、某マンション。念願の間取り3DKでシンプルライフを開始した老人Mは午後9時30分に就寝し10時前後に深い眠りに入り、その後、午前3時にはパッと目が開く。枕元のiPhone5sのライトで危険な足元を照らしながら正確な歩数でトイレを向かう。便座の前の世界地図でポーランドとバルト3国の位置を確かめると、既に頭は冴えわたり、その後も冷蔵庫を開けたり閉めたり、玄関の2重ロックを確かめに行ったり、薄暗いダイニングに立ってニタニタ微笑んでみたりと、毎夜の行動は変わらない。
 
もう一度眠るためには、サイトの訪問者数を確かめたり、稚拙な文章を読み返したり、ネット検索するのが有効な手段のようだ。暗闇の中、iPhoneのライトに一つの顔が照らされている。脳を騙すのは以外と簡単で約10分後には、iPhoneが手元から滑り落ちた。朝まで3時間ある…
 
想像力豊かな老人Mが思うに、この深夜の徘徊は自分だけに限ったことではなく、超高齢社会の日本では、ほぼ全ての老人が深夜に家中を歩き廻っていると想像され、実に全人口の3分の1が深夜の散歩に参加していることになる。人生の3分の1である睡眠時間にも秘かな楽しみがある訳だ。日本中で様々な住居形態がある中、散歩コースが適度に狭く、散歩中に階段から転げ落ちるリスクもないマンションの3DKは、安全で快適な夜の散歩に適した間取りと言える。

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